vol.3　有限会社齋藤酒造場　～地域と醸す、楽しいお酒生活～

有限会社齋藤酒造場（徳島市佐古七番町7番1号）
代表　齋藤　智彦さん
業種　酒類製造・販売（清酒、どぶろく、リキュール）、食品製造・販売（甘酒、酒粕）
創業　1939年（昭和14年）
Webサイト　https://www.gotensakura.com/（外部サイト）

　私のモットーは、「醸（かも）すのは、楽しいお酒生活」であり、お客様に楽しんでいただける商品を開発するために、清酒製造免許のほかに、リキュール製造免許、その他の醸造酒製造免許を取得するなどし、新たな酒造りに取り組んでおります。
　当社の代表的な銘柄としては、初代から続く「御殿桜（ごてんさくら）」と、私の代になって発売した「阿波黒蜜梅酒」があります。ありがたいことに、世界基準で審査する日本酒品評会としての地位を確立しているロンドン酒チャレンジにおいて、当社の「純米大吟醸　御殿桜」が2020年に金賞を受賞し、「阿波黒蜜梅酒」が2018年、2019年と2年連続金賞、2020年には最高賞のプラチナ賞を受賞することができました。
　また、月1回、飲食店とのコラボによる「御殿桜を囲む会」の開催や、とくしまマルシェに参加するなど、消費者の皆様とのコミュニケーションを大切にするために、地域密着型による販売を行っております。

　平成31年度の徳島市販路拡大支援事業補助金（展示会等出展事業）を活用して、以前から関心のあった海外展開を目指すこととしました。
　現在、海外では日本食ブームが続き、清酒の輸出額は年々増加しています。
　そこで、日本酒は保存方法によって品質が左右されることもあり、日本から近く、アクセスもしやすい香港で開催される展示会に出展することとしました。
　この時参加した展示会では2件の商談に結び付き、うち1件は商社を通じて直接当社に見学に来るなど、順調に進んでいましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により中断せざるを得ない状況となっています。今後、感染症が落ち着いたら、改めて交渉を進めたいと考えています。　

　これまで、新聞や雑誌に取り上げてもらう、SNSやECサイトを活用するなど、積極的に情報発信を行ってきましたが、当社のブランドは他社のブランドに比べてあまり知られていないため、なかなか販路拡大に結び付かず、知名度の向上が課題となっています。
　新型コロナウイルス感染症の終息後は、宅飲み需要などで好調なネット販売に力を注ぐとともに、店頭でのお客様との対話やアプローチを強化し、きめ細かな対応を通じて、よりコアなファンの獲得を目指しています。また、飲食店での「御殿桜を囲む会」やマルシェなどの地域イベントを通して、消費者の声を直接聞き、消費者ニーズに合った商品を提供していくことで、地域と共に、海外にも通用するブランドを作り上げていきたいと考えています。

（取材　中小企業診断士　妹尾圭一郎）